リアルで密になれなくても、オンラインでつながろう
出会いについての心理学で、よく知られているものに”単純接触の効果”というのがあります。
人は近くにいる人を好きになる⁈
わたしたちは特に好みのタイプというわけでもないのに、毎日のようにテレビに登場するタレントになんとなく好感を抱くようになったり、いつの間にかファンになってしまうこともあります。よく耳にする音楽をいつも耳にしているというただそれだけの理由で、他の曲よりも好むようになっていることもあるものです。
”単純接触”の効果で、恋に発展することもありうる繰り返し接しているものに対しては、好意的な感情が生まれてくるものなのです。これが”単純接触の効果”といわれるものです。わたしたちは、よく顔を合わせる相手を好きになりやすいというものです。
ある実験によると、被験者は何度も顔を合わせたことのあるひとに対しては、たとえそのひとと口をきいたことがなくても、好意を示したということです。それも顔を合わせる機会が多ければ多いほど好意の感情をもったということです。
相手が素敵な人であれば、その感情はロマンチックな恋心へと発展していくこともありうるわけです。よく荷物を届けてくれる宅配の人、デリバリーの人、コンビニの店員さんなど、ちょくちょく顔を合わせるうちに好きになってしまったという人もよくいます。逆に、最初のうち自分はとくになんとも思っていなかったけど、相手から付き合ってほしいと言われたというような話もときどき耳にします。
”運命の人”は近くにいるかも
単純接触の効果からすれば、まだ相手がいない人にとって、どこにいるのかわからない相手より、ときどき顔を合わせる機会のある人のなかに、じつは候補となる人がいるかもしれないということですね。身近に将来の恋人や結婚相手となる人がいるかもしれないのです。
職場や学校の近く、通勤通学途中、また日常の生活圏で、ときどき顔を合わせる人がいて、相手も何となく気づいているような様子が見られるとき。また、とくに理由もないのに最近その人と顔を合わせる頻度が高くなっているような気がするというとき。それはあなたがその人に強く惹かれているのか、あるいは相手があなたに好意を寄せていて、あなたと知り合いになりたくて、会えそうな時間帯や場所を狙ってきているのかのいずれかでしょう。その人と親しくなりたいなら、思い切って一歩踏み出し、声をかけてみるのもいいかもしれませんね。
嫌いな人のことはますます嫌いになる!?
逆単純接触の効果でも、単純接触の逆の効果もあります。顔を合わせる機会が多いほど好感を持つようになるとはいえ、逆のこともあり得ます。たとえば、あるタレントのことを最初はそれほどきらいではなかったのに、頻繁に番組に登場するようになると、だんだん嫌いになってきたというようなことは多くの人が経験しているものです。また、もとから嫌いなタレントなら、時々目にすることで、ますます嫌いになることもありますね。
あなたが好意を持てない相手が、何度もあなたの目の前をちらつけば、あなたはその人のことをもっと嫌いになるでしょう。なるべく相手の方を見ないようにするかもしれません。
単純接触が成り立たない⁈コロナ時代の出会い
コロナ時代になって、配達の手渡しは少なくなり、店のカウンターにはビニールシートが張られていたり、人と近くで接する機会が減ってきてしまいました。しかも、マスクやフェイスシールドで顔の大半を覆っていたら、お互いに顔を合わせるということもできにくいですね。たとえ、目があっても、どんな人かよくわかりません。
オンライン単純接触してみよう
いま、お互いの顔が安心して見られるところといえば、Zoomなどを使ったオンラインで集まる場所です。オンライン合コンやオンライン恋活・婚活などが盛んになるでしょう。こういった集まりには、引っ込み思案にならず、ときどき参加してみるとよいでしょう。まだまだ自粛気味の日が続いたとしても、オンラインでときどき顔を合わせる人がいると元気がでます。
他人を意識することが大事
オンラインでの付き合いでは、顔出しした方がいいです。顔出ししないと、好感度は低いままです。顔出しすることで、メイクはどうしようとか、すっぴんじゃ出られないとか、悩むことはあるでしょう。それがいいのですね。他人の目を意識することから、出会いが始まるわけですから。部屋の様子が移りこみすぎないよう背景をどうしようとか、他にも悩ましいことがあるかもしれません。でも、そうやって、他人を意識することが、気づかない間にあなたを元気にしてくれるでしょう。
初めはよく知らない人でも、友達同士仲間同士が声かけあってオンラインで集まったり、何度か同じ人と顔を合わせるようになると、オンライン上でもいくらか親しくなれるでしょう。オンライン上の集まりのなかに、お互いに好意を抱ける相手が現れるかもしれません。