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友だちと恋人の境界を決めるものは?:「好き(like)」と「愛する(love)」

これまでただの友達だと思って付き合っていた相手から愛を告白された。でも、そのひととはこれからもずっと友達の関係でいたい。そのひとのことは嫌いではないのだけれど、むしろ好意をもってはいるのだけれど、愛しているといえるかビうかはわからない……。

とりわけ、女性の側からそんな悩みがよく聞かれます。好きであることと愛することのあいだには、何か大きな違いがあるようです。友だちと恋人の境を決めるものは、いったい何なのでしょうか?

アメリカの心理学者ジック・ルービンは、好意と愛情の区別について測定する質問紙を作成し、たくさんのデート中のカップルを対象に、好きであることと愛することの違いを研究しました。

質問紙では「好き(like)」尺度と「愛情(love)」尺度を用いて、相手に対する評価や親密さの度合いなどが測定されました。「好き」尺度には相手に対する賞賛や尊敬の気持ちなどが含まれ、「愛情」尺度には相手と一緒にいたい欲求や、ふたりで濃密なときを過ごしたいという欲求が含まれています。

その結果、好きであることと愛することのいちばん大きな違いは、その相手とどれだけ一緒にいたいかという点にあるようです。愛している場合には、できるだけその相手と一緒にいたい、相手を独占したいという欲求が強く、全面的なかかわりを求めます。けれども、たんに好きであるという場合には、そのひとと全面的に関りたいという欲求は生まれません。


女性は、好きでもない男性に恋をする?!

「好き」尺度と「愛情」尺度を用いた研究から、女性は男性よりも「好き」と「愛する」の二つの感精を厳密に区別しているらしいということがわかりました。男性の場合には、女性よりも「好きであること」と「愛すること」の関係は近かったのです。

この結果からすれば、女性が好きでもない男性に恋をする可能性は、男性が好きでもない女性を愛する可能性よりも高い!ということになります。つまり、女性は好意を感じている相手ではなくても、恋の対象としてその相手に魅力を感じることがありうるということです。これはちょっとわかりにくいかもしれませんが、逆のことを考えればよくわかります。つまり、女性は非常に好意を抱いている相手に対しても、恋心は決して抱かないということがありうるということです。

好きでもない男性に恋をした女性は、恋の情熱が冷めれば、すぐに相手のことを嫌いになってしまうかもしれません。もし、恋の情熱だけで、結婚してしまうと、早晩相手のことが嫌になり、結婚生活がうまくいかなくなる可能性があります。



「好き」と「愛する」の区別 男女の違い

男性と女性の間には、さらにもうひとつ大きな違いがあります。男性は惚れた女性やロマンチックな気分になれる女性でなければ、デートをする気にはなれないけれど、女性の場合は好意をもっている男性となら、一緒にお茶を飲んだり、食事をしたりということはわりあい平気だということです。

おそらく、ここで男女の間に大き々誤解が生じるのではないかと思われます。なぜなら、女性は一方で「好き」と「愛する」を男性よりも厳密に区別しながら、ただ好きというだけの男性とでもデートをするけれど、男性の方はその区別が女性よりも厳密ではないのだから、彼は彼女の気持ちを「愛によるもの」と解釈してしまうでしょう。

そこで、男性が女性に正式に交際を申し込んでも、女性からは「あなたとはずっと友達でいたい」といわれてしまうような事が起こりうるわけです。男性はその返事を聞いて、「だったらどうしてデートの誘いに応じたのか」と言いたくなるでしょう。男性にとっては、女性の気持ちが理解しがたいことでしょう。

テーマ  恋愛心理
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