恋の心理学/恋の診断/恋の真理

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一瞬に心をひかれ夢中になってしまう
「ひとめぼれ」と「のぼせあかり」


 恋には、一瞬のうちに相手に強く心をひかれる「ひとめぼれ」という現象があります。 また、相手のことをよく知らないうちから、夢中になってしまう「のぼせあがり」という現象もあります。

 この「ひとめぼれ」や「のぼせあがり」は、どうして起こるのでしょうか? それは現実の異性との出会いに先立って、恋愛の相手として理想化されている魅力的な異性のイメージがあるかだという考え方があります。そのイメージと重なる人が目の前に出現したとき、「ひとめぼれ」をしてしまうというわけです。

 これを言い換えれば、愛の対象として好ましいと思っている無意識のイメージに、ある人が合致していると感じられたとき、「ひとめぼれ」が起こるということです。「ひとめぼれ」によって、相手に対する関心が急速に高まれば、「のぼせあがり」の状態になるでしょう。もし相手の方も興味を示してくれれば、それは恋へと発展し、ふたりの関係は親密なものとなっていきます。



●好ましい異性のイメージ
 では、「ひとめぼれ」に先立つ理想の恋人のイメージはどうやって作られるのでしょうか?ひとつには、その文化や社会のなかで、恋人として理想的とされているような異性のイメージが影響しているものと考えられます。
 たとえば、恋人にはどんな人がいいかという質問に、よく「タレントでいえば誰々に似た人」と言うことがあります。映画やテレビに登場する人物のイメージから、理想の恋人のイメージが作られているわけです。

 また、ひとつには、恋人を選ぶときには、自分の両親の特質が大いに影響しているのではないかという説があります。これは精神分析学者のフロイトの説ですが、男の子は自分の母親、女の子は父親に似た人を、大きくなってから恋人に選ぶというのです。
 しかし、実際には自分の親とは似ても似つかないタイプの異性にひかれることもよくあることです。どのような異性が好ましいと思うかを調べたある実験では、被験者の男女は自分の親に似ているか、あるいはまったく似ていないかのタイプを選んだということです。

 結果は真逆にしろ、このことからは恋人選びには親の影響がありそうだということになります。フロイトの説もわたしたちが子供のころに感じた親との愛憎の葛藤が、人きくなってからの異性との関係に影響するということで、親子関係の問題はけっこう複雑です。本人が意識的にとらえられていない部分も多いのです。
 また、恋人のイメージには、子供のころしたっていた姉や兄、いとこ、叔父叔母などのイメージが投影していることもあるようです。以前に付き合っていた恋人と似た人を好きになるということもありえます。

●ほんものの愛を確信する時間
 「ひとめぼれ」と「のぼせあがり」は、漠然としたイメージがもとになっているため、あまり長くは続かない感情です。「のぼせあがり」は次第に冷めていくでしょう。相手に抱いたイメージと現実の人物にギャップがあればあるだけ、それだけ恋の迷いから早く冷めることになります。

 逆に、「のぼせ上り」の時期が過ぎても、好きという感情が安定し、愛が育まれていくこともあるわけです。

 その気持ちがたんなる「のぼせあがり」に過ぎないものであったのか、それとも本物の愛を育んでいく関係の始まりであったのかは、後になってみなければわかりません。
 
 ふたりの関係が本物の愛に発展していく可能性は、ふたりが共有する時問の長さにも関係してきます。「のぼせあがり」か「本物の恋」かどうかを見分けるには、最低6か月は密接な関係をもつ時間が必要だといわれています。早くに結論を出しすぎるのもどうか? 

 出会って3か月での電撃結婚は「のぼせあがり」から冷めたら、うまくいかなくなる可能性を大きく秘めているということですね。6か月続けば、その関係は続いていく可能性も大きいわけです。結婚を考えるのは、少なくとも付き合って6か月以上たってからが無難ということでしょうか。
テーマ  恋愛心理
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