恋の心理学/恋の診断/恋の真理

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男には男らしい性格、女には女らしい性格はあるのか?

人間の性格を考える場合、男性的性格・女性的性格ということばで表されるものがあります。

男性的性格の特徴と考えられるのは、意志、決断力、野心、行動力、リーダーシップなど、おもに積極的な能力を示すもので、女性的性格の特徴は、やさしさ、素直さ、柔順、控えめ、親切、気持ちの細やかさなど、受動的な感情面での特性があがっています。

従来の男性中心社会では、「男はこうあるべき」「女はこうあるべき」というステレオタイプのイメージがあり、男性的性格はそのまま男として望ましい性格、女性的性格は女として望ましい性格と考えられました。そして、男性には「男らしい性格」、女性は「女らしい性格」があると信じられてきたのです。

けれども、男性的性格や女性的性格の特徴は、それがそのまま男性に特有のもの、女性に特有のものというのではなく、ひとりの人間の性格特徴として備わっているものなのです。

たとえば、女性のなかにも意志が強く決断力に富むひともいれば、男性のなかにもやさしくて気持ちの細やかなひともいます。こういう当たり前のことが、いまでもまだ完全に理解されているとはいいがたい場面にときどき遭遇しますね。


男性度・女性度とは?

心理学では「男らしさ」「女らしさ」というときの「らしさ」を男性度・女性度で表し、どちらの傾向を多くもつかによって男性的性格・女性的性格と名づけています。男らしいとされる特徴を多くもてば男性度が高いとみなされ、女らしいとされる特徴を多くもてば女性的性格が高いということになるわけです。

こうした発想に基づいて、男性度・女性度を調べる検査法が心理テストのひとつにあります。

男性度の尺度には、上にあげた特徴とも重なりますが、決断力、行動力、野心、リーダーシップに加え、客観性、論理性、労働に対する意欲、競争意識、勇敢さ、自信などが含まれ、女性度を調べる尺度には、やさしさや他人の感情に対する敏感さの他に、芸術・文化への愛好などが含まれています。

この男性度・女性度の検査では、男性でも心理的には男性度が低く女性度が高いという結果がでたり、女性でも男性度が高く女性度が低いという結果がでることも少なくありません。

ただし、男性度が高いことがすなわち女性度が低いことを表すわけではありません。同様に女性度が高いことが男性度が低いことを意味するわけでもありません。男性度が高く同時に女性度も高いというひともいれば、男性度も女性度も低いという結果になる人もいるわけです。

といった結果になるひともいます。



現代では<男女両性具有型>と同時に<未分化型>が増えている?

この男性度・女性度を測定する尺度を用いた結果では、ひとは次の四つのタイプに分類されることになります。男性度が高く女性度も高い=<男女両性具有型>、男性度が高く女性度が低い=<男性型>、男性度が低く女性度が高い=<女性型>、男性度も女性度も低い=<未分化型>の四つです。

1970代の終わりごろのデータによると、日本の男女に最も多くみられたのは、男の<男性型>と女の<女性型>であったということです。この時代には男女がまだ伝統的な「男らしさ」「女らしさ」のステレオタイプに縛られていたのでしょう。

現代ではデータは見つかりませんでしたが、おそらく、<男女両性具有型>と同時に<未分化型>が増えているのではないかと思われます。<男女両性具有型>はどちらかというと外向的で社会に適応していこうとする男女、<未分化型>はどちらかというと内向的で、引きこもり傾向のある人に多いのではないかと推測されます。

未婚男女が増えている背景には、こういうことも影響しているのかもしれません。

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