恋の心理学/恋の診断/恋の真理

2018年7月3日(火)
img01

あなたのなかにも悪女願望はありますか?:誰のなかにも悪女願望が眠っている?!

[悪女]とか[魔性の女]と呼ばれる女性がいます。男性を虜にする女性ですね。そういう女性たちはどこかふつうの女性と違う魅力を持っているものです。でも、一見「ふつうの女性」のなかにも、悪女的な要素は潜んでいるものです。それが悪女願望として深層意識の中に眠っていることもあります。

最も悪女願望があっても、現実と願望の間には大きなギャップがあり、その願望を実現することはめったにないかもしれません。大半の女性は悪女的要素を開花させ、男を手玉に取るような女として生きるより、また恋多き女と呼ばれるような自由奔放な生き方をするよりは、平凡な結婚生活に幸福を見出そうとするでしょう。多くの人が「平凡な結婚」に幸せがあると信じているのです。というか、そう思いたいのですね。

性に対するモラルが厳しい女性ほど、内なる悪女願望は抑圧されたまま、よき妻として、よき母として生きようとします。

イヴ・ホワイトとイヴ・ブラック 貞淑な女性のなかから出現した悪女

ところが、抑圧されたもうひとりの自分が一個の人格として表面に現れることがあります。いわゆる二重人格です。アメリカで報告された「イヴ・ホワイト」と「イヴ・ブラック」のケースは、何度もドラマ化されたりして大変有名です。この既婚女性の場合は、第二の人格のみならず、第三の人格まで現れた驚くべきケースです。

あるときイヴ・ホワイトという名の女性が頭痛を訴えて精神科医を訪れました。彼女はとても内気で消極的、少し陰気な感じさえする貞淑な妻でした。彼女は治療の途中で突然、発作に襲われたようになって、そのあと別の人格が現れました。これまでのイヴ・ホワイトとはうってかわって、陽気でなれなれしく、色っぽいところがあり、担当医に向かって、誘惑的なまなざしをなげかけてくるような女性でした。

本人はイヴ・ブラックと名乗り、イヴ・ホワイトのことを知っていました。そして、イヴ・ホワイトの夫のホワイト氏のことをうだつのあがらない男だといって軽蔑していました。


イヴ・ブラックは派手好きで、セクシーなドレスを着て、ダンスホールヘ出かけ、そこで出会った男性と踊ったりお酒を飲んだりしています。けれども、イヴ・ホワイトのほうはこの女性のことを知りません。自分がなぜ、派手なドレスを持っていたり、洋服屋からたくさんの請求書がとどくのかもわからなかったのです。

この二つの人格はイヴという同じ女性のなかに交互に現れ、さらにそれに引き続いて三番目の人格が出現しました。彼女はジェーンと名のり、イヴ・ホワイトやイヴ・ブラックよりも精神的に成熟したとした健康な人物でした。それから約一年後、ジェーンは話していた医者の前で突然すさまじい叫び声をあげ、第四の人格エヴリン・ホワイトが現れました。エブリンはジェーンよりもさらに活気に満ちた、責任感の強い女性でした。

イヴ・ホワイトは一人の女性の中の、あまりにも貞淑で品行方正な一面だけが表われた人格でした。けれども、彼女の自我はそれがすべてではなく、その背後に無意識のうちに抑圧された別の面があったのです。それがイヴ・ブラック異と名乗る第二の人格となって現れたのでした。


あなたのなかにももう一人の自分がいる……

イヴ・ブラックはホワイドの自我の別の側面を補うような人物で、やがてホワイトとともに統合されて、より成熟した第三、第四の人格へと発展していく基礎になったと考えられます。

それではなぜ、二重人格や三重人格といった多重人格が生じるのでしょうか。イヴ・ホワイトの場合は、幼いころの虐待の体験などが影響していました。人は余りにも耐えがたい体験をすると、人格を分裂させることによって生き延びるのですね。しかし、大きなトラウマ的な体験はなくても、こういう話を読めば、自分の中にも、もう一人の自分がいるように感じませんか? 

表面に出ているあなたの人格は、それによってあなたがうまく適応してきた人格です。でも、あなたのなかにはそれ以外の、表に現れている自分とは違う側面がある。それが人格というほどには育っていなくて、表に出ることはないけれど、心の奥底にくすぶっているという場合があるでしょう。

そのような自分は何らかのコンブレックスとなって無意識の底に潜んでいるものです。コンプレックスとはもやもやとして複雑な感情のしこりのようなものです。しかも、それは無意識のうちに次第に強力になってゆき、それが第二の人格とまではいかなくても、ついには抑圧しきれなくなって表に出てくる場合もありえます。

たとえば、学生時代には地味だった女性が、学校を卒業すると急に派手になったとか、真面目な優等生だったような女性が、いろいろな男性とつきあい始めたとか。結婚して夫に従順に暮らしてきた女性が、夫の定年後別れたいと言い出し、自分の人生を謳歌するようになったとか。卒業、転職、結婚、離婚など、環境の変化をへて、それまで抑圧されていたものが、一気に解放された時、あなたの中のまだ表に出ていなかった人格が浮かび上がってくるのかもしれませんね。

テーマ  愛の葛藤
最新のstory