恋の心理学/恋の診断/恋の真理

2018年7月3日(火)
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複雑にわだかまる感情のしこり 劣等感コンプレックス

コンプレックスといえば、よく「あのひとはコンプレックスが強い」とか「自分はコンプレックスのかたまりだ」といういい方がなされます。このときのコンプレックスとは、一般に劣等感コンプレックスのことをさしています。劣等感コンプレックスとは劣等感を中心とした複雑な感情のしこりです。心理学者のアドラーは劣等感はすべてひとの心のなかに存在するといっています。

彼は撮初、生理学的な研究から、人間の身体には欠陥があった場合、これを補うためのプラスの機能が働いていることを発見しました。たとえば、病気で片方の腎臓を切除したひとは健康なほうの腎臓がふつうよりはるかに大きくなっているし、心臓弁膜症の患者の心臓はふつうのひとの心臓より肥大していたのです。

アドラーは心理的な面でもそういうことが起こっていると考えたのです。人は自分が劣っていることを意識すると、強い意志をもってその欠陥を補おうとするものだというのです。劣等感があるからこそ、これを克服しようとする優越欲求が生じるというわけです。そして、優越欲求はわたしたちが生きていくうえでの大きなエネルギーになっているというわけです。

コンプレックスをバネにして、自分を磨こう。

自分の容姿に強いコンブレックスをいだいている女性が、ファッションセンスを磨くことによって、外見的にも美しくなり、他の女性たちから憧れられるような個性的な魅力を放つようになるといった場合があります。劣等感を克服することによって、劣等感となっていたことがむしろ人より抜きんでた魅力や能力となっていくのですね。

劣等感はそれがはっきり認識できれば、コンプレックスでもなんでもありません。自分で自覚できないとき、わけもなく不機嫌になったり、気分が沈んだり、他人に対して言わなくてもいいことを口にしたり、意地悪な態度にでたりすることになるのです。コンプレックスの強い人は、意気消沈しているかというとそうではない場合も多く、むしろどこか倣慢な雰囲気を漂わせていることすらあります。

コンプレックスの強さを自覚していない女ほどモテる女を嫌う。

異性にもてる女友だちのことを「彼女は男の人たちにちやほやされたいのよ」と悪口を言ったり、自由でオシャレな生き方をしている女性のことを「彼女はだいぶ遊んでいるみたい」といって、軽蔑のまなざしをむける女性がいます。そういう女性は心のなかに「異性コンプレックス」とでもいうべきものをかかえています。

じつは自分が異性に関心をもち、異性からモテたいという気持ちがあるのに、それは自覚できていない願望で、本人はそのことを意識していないし、認めようとはしないでしょう。本当は自分も男の人たちからちやほやされたいし、じつは「わたしだってお洒落すれば、あれぐらいにはなれるわよ」と思っているのかもしれません。

けれども、彼女の自我は自分自身の欲求や願望受け入れ難く、それを他の女性に転嫁することで安定をはかろうとするのです。これは自我の自己防衛機制といわれるものです。

同性に対する陰口や悪口が意地の悪いものになりやすいのは、たいてい悪口を言っている本人のコンプレックスがそこに投影されているからなのでしょう。

テーマ  愛の葛藤
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