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結婚できないと孤独になりそう…
でも、結婚していても孤独なことがあるの?



 男女の生涯未婚率が増えているそうです。生涯未婚率というのは、50歳までに一度も結婚したことのない人の割合。国が発表した2018年のデータで、男性は23,4%、女性は14,1%。つまり、男性は10人のうち2人、女性は10人に1人以上の男女が、50歳になっても独身というわけです。

 「えー、結婚できないと寂しい! 孤独になる」という人もいるかもしれません。では、結婚していれば、孤独を感じることはないのでしょうか?

パートナーがいても陥る孤独がある
 孤独には二つの種類があるといわれます。一つは「ひとり者の孤独」で、もう一つは「一緒に暮らす孤独」です。ふつう孤独といえば、ずっと独身を続けている人や離婚して一人で暮らしている人、パートナーを亡くした人が感じるものだと考えられています。これが「ひとり者の孤独」です。

 けれども、結婚相手がいて一緒に暮らしているにもかかわらず、陥る孤独があるというのです。

 アメリカのダン・カイリー博士は、カウンセリングを通じて、結婚している女性の多くが自分ではどうにもならない孤独をかかえていることを発見しました。

 そういう女性のなかには、家庭の主婦もいればキャリアウーマンで立派な母親をやっている人もいたそうです。彼女たちは、だいたい30代から50代で、快適なライフスタイルを身につけ、はた目には幸福そのものに見えました。にもかかわらず、心のなかにどこか大きな空洞があるような気がすると訴えていたのです。

 一緒に暮らす人がいて生活も安定しているのに孤独を味わっているとは、いったいどういうことなのでしょうか?

【孤独″の判定尺度】
 孤独感というのは非情に主観的なものです。孤独の測定には、カリフォルニア大学の研究者たちが開発したUCLA孤独測定表というのがあります。それには次のような項目が尺度として用いられています。

 「頼れる人がひとりもいない」
 「わたしは取り残されていると感じる」
 「他の人から孤立していると感じる」
 「世間から引きこもっていることが寂しい」
 「わたしのことをほんとうに知っている人はだれもいない」など。

 ふつう、こういった感情に悩まされている人は孤独だと判断されるわけです。

 しかし、結婚している女性はこれらの項目にはほとんど「ノー」と答えることになるでしょう。それはこのような孤独測定表が、特定のパートナーがいる女性は孤独ではないという前提のもとに作られているからだというのです。

 これは「ひとり者の孤独」を測定するには信頼のおける方法だが、「一緒に暮らす孤独」はこれでは測れないというのです。

 博士は、一緒に暮らす孤独を判定する尺度として、次のような項目をあげています。

 「気分が悪いときに彼に頼れない」
 「彼の生活から除外されていると感じる」
 「同じ部屋にいるときでさえ、彼との断絶を感じる」
 「彼からのけ者にされているのがさびしい」
 「彼はわたしのことをほんとうには理解していない」など。

「一緒に暮らす孤独」は夫との間に目に見えない壁のようなものを意識し始めるところから始まります。

 そして愛を期待していた結婚生活が、現実には孤立の場所となり、夫に対して攻撃的な態度に出たり、怨みの感情を抱くようになります。

 それから怒りが内向してゆううつ感に変わり、しばしば無力感にとらわれるようになるのだそうです。

「一緒に暮らす孤独」は本人がはっきりそれと認め難いために、「ひとり者の孤独」よりも精神的ストレスが大きいといわれます。

 ダン・カイリー博士は、女性が自分の孤独を解消できない場合ののフラストレーションは、死につながることにもなりかねないと述べています。博士は婦人科系のガンの症例が増えているという報告がそれを示していると考えました。

 日本でも「一緒に暮らす孤独」にさいなまれる女性は少なくないのかもしれません。日本では子供がいれば、子供に愛情を注ぐことになるのかもしれませんが。それでも子供はやがて巣立っていきます。

 とりわけ、家庭中心の生活をしている主婦の場合、「一緒に暮らす孤独」を感じてしまったら、その気持ちをどこにもっていけばいいのかわからず、ゆううつな気分や無気力感が続くかもしれません。

 そういうとき、インターネットで男女の出会いを目的としたようなサイトを見つけ、SNSなどでメールのやりとりのできる相手と出会ったら、それだけでも少しは気分が晴れるかもしれません。

 直接会うのは躊躇しても、メールのやりとりぐらいなら、本名も知られないし、これぐらいはいいかなと思う女性もいるでしょう。

 夫とのコミュニケーションがないまま、夫が会社に行ってしまった後、メールでやり取りしている人からの着信を見れば、「おはようございます、〇〇さん、朝からいいお天気ですね。今日がよい日になりますように」といった、たわいのない言葉でも、思いやりを感じたりして、それだけでも少し元気になるでしょう。

 一緒にいる孤独は、思いやりとコミュニケーションを失ってしまったカップルの、とくに女性が感じるものなのでしょうね。周りの人にそのことを話しても、おそらく「何不自由ない暮らしができているのに、ぜいたくね」と言われてしまいそうです。


【まとめ】
 一緒にいる孤独に陥らないためには、パートナーとのコミュニケーションを絶やさないことが必要。ですが、それができないから「一緒にいる孤独」に陥るわけです。

 そこで、他の異性に孤独を埋めるものを求めたとしても、既婚女性には別の不安や悩みが生じてきます。それに、他の異性が果たして、その孤独を埋めてくれるかどうか…。

 お勧めしたいのは、自分の世界を広げることです。社会とのかかわりを持つことです。同性の友人との輪を広げ、そのなかで信頼できる人との関係を育てていくことも助けになりますが、これまでの人間関係にとどまらず、興味のある活動に参加するなどして、共通の話題を持てる人との付き合いを増やしていく。
新しいことを学ぶのもいいでしょう。

 一緒にいる孤独の根本的な解決法ではないかもしれませんが、自分が落ち込んでいる家庭の中の孤独から抜け出すには、パートナーとの関係だけでなく、いろんな人との付き合いを通して、社会とのつながりを感じることで、自分が周りの人たちから受け入れられている、好感を持たれている、何かがあると心配してくれる、ときに必要とされていることが感じられるような経験があると、気持ちを立て直すことができるのではないでしょうか。
テーマ  結婚 /愛と孤独
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