恋の心理学/恋の診断/恋の真理

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彼女はなぜ、ダメ男にひっかかるのか?


「彼女、すごく魅力的なのに、なんであんな男と付き合っているの?」「頭もいいし、仕事もできるのに、つきあっている男、ぜんぜんさえない」「彼女レベルなら、もっといい男と付き合えるはずなのにね」

周りの人はみなそう噂しているのに、どうして彼女だけがそのことに気づかないのだろう? 

あるいは、あなた自身が、けっこうモテる方なのに、じっさいに付き合う男はいまいちダメ男ばかり。でも、出会った当初は付き合っている間はそのことがわからなくて、あとでダメ男だったと思い当たったというような経験はありませんか?

「わたしって、なぜかダメ男にひっかかるのよね」みたいな。

 その一方、たいしてモテるわけでもないのに、いい男と付き合っている女性もいます。別に、それほど魅力的でもないし、仕事ができるというタイプでもなく、わりと平凡な感じの、ごくフツーの女性が、すごくいい男と一緒になっている。しかも、相手の男性は性格もいいし、みたいな。

 じっさい、有能な女性のジャーナリストや女優のような華やかな仕事をしている女性のなかにも、彼女の周りの人は「なぜ彼女があんな男と?」と思うようなダメ男と付き合ってしまい、やがては破局を迎えたが、彼女は堂々と復帰する一方、相手の男は彼女と付き合っているときは、多少光が当たっていたものの、そののちはぱっとしない人生を送った、みたいな話は、(こういうところで具体的な名前をあげることはできませんが)過去の週刊誌などのゴシップ記事を当たれば、出てきますよ。





ダメ男が自分を過大評価する、ダニング・クルーガー効果

 では、なぜ素敵な女性がよりによって、ダメ男に引っかかりやすいのか?

 このことを、ダニング・クルーガー効果から説明してみたいと思います。ダニングとクルーガーはアメリカの心理学者の名前です。この二人の学者は、心理学実験によって、能力の低い人物が、実際よりも自分を高く評価してしまうという認知バイアスがあることを発見しました。

 能力の低い人物が、自分を実際よりも高く評価してしまう。これが、ダニング・クルーガー効果と言われるものです。

 これは、自分に対する認知の歪みです。

 レベルの低い男は、レベルの低い男こそ、自分を高く評価してしまっているのです。

 魅力的で有能な女性に対し、普通の男性は「すごいね」と思っているかもしれません。比較的彼女と親しい周りの男性は、その男性がまともな男性であれば、彼女のことを正しく評価するでしょう。

 また、彼女の周りにいる優秀な男性や魅力的な男性は、自分の能力や魅力を自覚しているために、ことさらそれを誇張する必要はありません。むしろ、「上には上がいる」ことを知っているものです。

 むしろ、能力の高い人物、魅力的な人物の方が、適切な自己評価をしているし、ある種、謙遜なところがあると言えるでしょう。

 彼女の魅力や能力を評価している周りの男性や他の友人知人も、彼女に対して上から目線のものの言い方はしないでしょう。

 ところが、ダニング・クルーガー効果に見られるような認知バイアスのかかった男は、不遜にも、魅力的で優秀な女性に対して、自信満々の態度で近づいていき、たいした能力がなくても、自分の能力を吹聴するようなことを言うのです。

 これまで周りの人から好意的な評価を受けてきた彼女は、自分に対してこんな自信満々な言い方をする男性はいなかった。きっと、彼は何かすごいものを持っているのだろうと錯覚を起こします。彼女が若ければ、若いほど。

(30代後半から40代になると、ダメ男で失敗した女性はたいていこの真実を理解するようになるでしょう。)



 

 ダメ男に引っかからないために、ダメ男のことを知っておこう。

 自分を実際よりも高く評価している、この認知バイアスのかかったダメ男は、たとえばこんなふうに言うでしょう。

「周りのやつらは君のことを評価しているかもしれないけど、オレはそういうのは認めないよ」「他の奴らの見方は甘いんだよ」など。

 ダメ男は実際は自分が思っているほど有能ではないので、彼をよく知る周りの人間からはそれほど評価されていません。彼と付き合いのある周りの人たちは、彼がどういう人間か薄々わかっています。それはダメ男からすれば、自分が思うように周りの人間から評価されていないという思いにつながり、ダメ男はフラストレーションを起こしています。

 そのフラストレーションをダメ男は魅力的な彼女に振り向けます。優秀で魅力的な女性は、自分がこれまで、そんなふうに否定的にいわれたことがなかったので、なぜかダメ男の言うことが新鮮に感じられることがあります。彼は自分のためにこう言ってくれているのだわ、と思ってしまうのです。

 たいして能力のないダメ男は、それほど周りの人から評価されず、及びもかからないので、わりと時間だけはたっぷりあることがあります。そこで、自分が興味を持っているジャンル、たとえば、金融系、ジャーナリズム、エンタメ系、クリエイティブ系、芸術系などなど。そして、そのジャンルの情報だけは集めていたりします。

 そのウンチクを彼女に知ったかぶりで語るのです。たいていは受け売りですが、素直に受け売りをするならまだしも、他人の意見を批判するために利用するのです。能力は低いが自己評価の高い男は、たいていのことを批判します。けれども、若くて魅力的な彼女はそれを、彼がじっさいに能力があるから、そういっているのだと勘違いしてしまうのです。

 ダニング・クルーガー効果と同じような心理法則は、エニアグラムの健全度の中でも説明されています。エニアグラムは人の性格を9つのタイプに分類するものですが、どんなタイプであれ、個人の健全度が下がるとその人物は実際のレベルより自分を高く評価しているということになります。自分をいいもの、と思っているのです。

 逆に健全度がより高い人は、自分のことをいいものと思うような思い上がりを持ちません。先ほども述べましたが、レベルの高い人ほど謙遜なところがあるのです。

 それほどモテるタイプではない女性は、最初から自分のことをけなすような男性は受け入れないでしょう。最初から思いやりややさしさを求めるかもしれません。そのため、思いあがったダメ男にはひっかかりにくいのかもしれません。

 魅力的でモテるし、仕事もできるというあなた。くれぐれも、自分に対する認知バイアスのかかったダメ男にはひっかかりませんように。
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